五種のシリーズ作品について :
「見様 No. ~」( 版画シリーズ )、「棚 No. ~」( 陳列棚シリーズ )、「造設写真 No. ~」( 写真シリーズ )、「図案 No. ~」( 図案シリーズ )、「模型No. ~」( 建築模型シリーズ ) の五種のシリーズ作品。
 各シリーズにおいて共通することは、「幾つかの事物が、ただそこある(併存する)様相」についての試行であり、それを各シリーズが持つ細部によって、複数の尺度で応用可能な「抽象的な原型 ( 構図 ) 」として出力すること。

※ 抽象的な元型 − 例えば棚になる前の棚 

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「見様 No. ~ 」( 版画シリーズ ) :
竹ペンでグリッド、矩形の並び、楕円など、ゆるく従える形態 = 状況を描き、その上に指や踵などを版として、並べるように刷るモノタイプのシリーズ。 実際の版 ( 事物 ) が刷られた際にとある一つの像として具体的に仮定されること、版の像を幾つか並べたときに、事物それぞれが持つ条件や時間の差異を併存させることができる ( また併存する様相が自ずと立ち上がる ) こと、濃度が発生することなど、版画の過程で生じることを応用したシリーズです。

「棚 No. ~ 」( 陳列棚シリーズ ) :
既存の棚や小物などを一旦パーツへと解体し、それらを切り貼りし組み立てるようにして制作される一つの陳列棚。その棚にファウンドオブジェクトを配置し、一つの様相を提示するシリーズ。
棚を制作する際は、パーツへと解体する過程に発見したそのオブジェクトに凝らされたもの / 選択されたこと・されなかったもの ( 細部 ) ── パーツ同士の接合のされ方、寸法の揃え方、パーツの片面には色が塗されて裏面は塗られていない ── などを解釈しながら、それをトレースしたり、整えたりしながら仕立てます。 一般的に普及させるプロダクトとしてのクオリティではなく、細部に対しての解釈の表出 = 抽象的な元型( 構図 )を尺度として棚を仕立てます。
棚に並べるオブジェクトには共通するコンテクストがあるわけではなく、異なる質感、並べた際の全体の丁度で選択されていきます。 またそれらは棚には固定せず、現場で並べられます。 ある程度の時間設置していると、埃がうっすらと積もっていくことも魅力的です。

「造設写真 No. ~ 」( 写真シリーズ )
事物 ( 写真内に映るもの ) やその周辺を写真に収め、紙に印画するシリーズ。
モチーフは重要ではなく、単なる質感・ヴォリュームを予感する事物・状況の一例として撮影しています。 特に構図・ヴォリュームを尺度に、トリミング、色彩、形などを細かに編集する、少しずらした角度から撮影した写真を合成する、紙に印画した写真を薄い膜でコーティングするなど、本シリーズにおいては写真を、編集・印画の過程を前提としたメディウムとして捉えています。 これらの作業を踏むことで、ストレートに収めた事物とその周辺を、様相として浮かび上がらせることが特徴です。

「図案 No. ~ 」( 図案シリーズ ) :
色彩、柄、質感を一介の事物として配置し自ずと出来上がる全体、それを調整することで一つの図案を仕立てるシリーズ。この図案は基本的に水平に置かれ、さまざまな角度から見ることを前提としています。 この表れとしてガラス板、アクリルキューブなどが使用されることがあります。 身体を動かしていれば自ずと様相が出来上がることが特徴のシリーズです。

「模型No. ~ 」( 建築模型シリーズ ) : 
事物とその置かれた状況 = 様相を、建築模型の視点で提示するシリーズ。
建築模型内に並べられる事物は、例えば建築の一部や建築内を動く人物として、実際の事物の持つスケール感を据え置きにして配置されます。 建築模型のもつ、建築の元型 = 凝縮された空間内に事物が置かれること、建築模型を眺めるように、想定された目の前の模型の空間と実際に居る空間を行き来することを、応用したシリーズです。

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